歯科技工士のお仕事は、患者さんが失った歯の一部などに変わるものを製作することです。歯科技工士が作るものには部分入れ歯や総入れ歯、インレー（詰め物）、クラウン（被せ物）、ブリッジ、インプラント、矯正装置など実にさまざま。これらの製作物は、天然歯の代わりに患者さんの一部となって、食事を食べる、発音を助けるなど、生活を支える大切な役割を果たします。少しのずれが違和感や使いにくさにつながるので、気持ちよく使ってもらうためには常に精密で繊細な作業をしなくてはいけません。
個人の経営する歯科医院や総合病院の歯科に勤務することもありますし、歯科技工所に勤務し、複数の歯科医院から依頼されて製作にあたることもあります。日本の歯科技工士になるための教育は厳しく、高い技術を身に着けられるため、海外で活躍することも夢ではありません。腕がよければいずれは独立開業をめざすこともできます。また、歯科材料を開発する一般企業などに勤めるという道も。
急ぎの製作依頼なども多く、残業で作業をこなすことも時には求められます。どちらかというと男性が多い職種ですが、現在は女性の歯科技工士も増えてきて、多くの歯科医院などで活躍しています。
歯科に関連するお仕事ですが、ものづくりのセンスが必要。また、歯科に用いられる素材は年々新しいものが開発されているので、常に向上心を持って新素材にも対応できるだけの勉強を続けていかなくてはいけません。
歯科技工士を何人も抱えているのは大きな歯科医院だけで、大抵は一つの病院に歯科技工士は一人。製作物は全て歯科技工所に外注に出すため、歯科技工士は雇用しないという歯科医院もあります。
そのため歯科助手や歯科衛生士に比べると、求人数は決して多くありません。しかし高度な技術を必要とする専門職で、よいものをつくれば必ず患者さんのお役に立つことができるので、技術を身につければきっとやりがいのある仕事になるでしょう。
